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NO.11 05.18
岸博幸氏 (慶応大学大学院メディアデザイン研究科 教授)

■インターネットを活用することはもはや当たり前なこと

利点として、ネットが現在のように普及し一般レベルにまで使われている状態において、本来投票行為というものは、できるだけ多くの情報を知り、精査した上で投票しないといけないわけです。そうした中で、投票する側の情報入手の手段としては、既存のようにマスメディアやいわゆる選挙公報などに限定せず、ネットが活用されることがいいと考える。

選挙に立候補する候補者からしても、自身が訴えたい内容に関してなるべく多くの人に広く知ってもらう手段として、インターネットは当然活用しないといけないでしょう。10年前などのまだまだネットが一般化されていない状況とは違い、インターネットの地位がいまは確立されており、立派なメディアとして機能している。

もし仮に自分が選挙事務所の関係者だったら広報を通じてやる以外にマスメディアが報道するだけな現状に対して、なんでそれだけなのか、って考えてしまう。インターネットはメディアとして機能していて、ネットのあり方として活用をできるようにするのは、情報を知る側にとっても情報発信側にとっても、もはや当たり前なツールとして使うべきです。

■情報をどう選別するか−ネットの活用と国民の意識が問われてくる

インターネットは、場合によっては逆効果がおきることももちろんある。つまり、いまのマスメディアがどの程度バイアスがかかっているか詳細はわからないが、プロの目線として、きちんとフィルタリングがかかった上で、情報の精査などがかけられ情報発信されている。そうしたフィルタリングがインターネットではないままに情報の発信がおこなわれることもある。もちろん、場合によって情報の偏向が起きなくなることもあるかもしれないが、まだまだ、成りすましや第三者が勝手に書くということなど、様々な可能性を秘めていることは間違いない。

極端なことを言えば、候補者の変な主張もそのままの状態で発信されるわけだから、それは投票する側やそうでなくても情報を受取る側などすべての国民が自分自身でフィルタリングをおこなっていかないといけない。それは、かえって国民全体にとっても負担を強いることにも正直なるでしょう。

もちろん、マスメディアが偏向報道をしているのは事実。でも、だからと言ってインターネットがなんでも正しい、なんでもいいんだ、というのは大間違い。震災の時もそうだったけど、かえって嘘やデマなどの情報も多くあった。そして、それの情報の真偽をチェックするのは難しい。なので、そうした情報をどう仕組みとしてコントロールするか、

ということも課題になってくる。

そして2番目に、そうした情報をどう選別していくか、という私達国民側も問われてくるでしょう。つまりそれは、これまでよりも様々な面で難しさがでてくることでしょう。マスメディア批判をおこないネット礼賛をする人も多いが、まだまだネット上にはいかがわしい嘘の情報も多くある。すでにネットが一般レベルでの利用にまで普及している、という意味においては選挙時に使うことはもはや当然ことだが、では実際にそれをどう社会的に組み込むか、成りすましや倫理的に反する記述などに対してどこまで書かせないか、という最低限のルールや規則は必要だ。

さらに言うと、国民側もきちんとした情報の良し悪しを見抜けるようにならないとマスメディアの偏向報道以上に大変なことになりかねない。そうした意味において、選挙におけるインターネットの利用は必要だがきちんと制度として考えないといけないという部分においては、諸刃なものにもなる。有権者の側、とくに若い人達が情報をどう選別していくか、ということが問われてくるだろう。

■選挙だけでなく、日頃の政治の動きに興味を向けること

インターネット選挙運動が解禁されれば、若い人たちの選挙に対する意識は当然変わってくるだろう。理由は簡単で、やはり若い人達はあまりテレビを見なくなってきている。そして、あまり新聞も読まなくなってきている。おそらく、毎日の様々な情報はインターネット経由で収集しているでしょう。そして、今の若い世代、若ければ若いほどその傾向が強く、行動パターンが同じになってくる。そして、マスメディアはどちらかと言うと高齢者向けなものだ。お年寄りはマスメディアで、若い人はインターネット、というのがメディア消費の中心になっているのはもはや明確なものになっている。そうした意味で、インターネットで選挙なりそして政治や政策などの話題がもっといっぱいでるようになるというのは、当然若い人達の問題意識や投票行動になにがしかつながるはずだ。

いまの若い人達がどこまで理解しているのかは分からないが、今色々と進められている政策の多くは高齢者を優遇して若い世代をいじめる政策だ。若い世代に色々なものの負担を回そうとしているのが実態。消費税の増税1つとっても、お年寄りや僕よりもいまの若い世代の子たちのほうがこれから生きる時間が長いのは当たり前だから、支払うものが多いのは当然の結果になってくる。こうして、若い世代にツケをまわそうとしている。こうした部分も含めて、いまの若い世代の子たちが政治に無関心であったりすると、一番損をするのは若い世代なんだ。だからこそ、もっとより一層の問題意識をもってもらいたいし、そういう問題意識をもってもらうためには、やはりネット上において政策の問題であるとか政治の問題がもっといっぱい出るようにならないといけない。

さらにもうひとつ言うと、今回の話でもネット選挙運動や政治の活動にネットを活用しようという話だが、ある意味で選挙というのは最後の結果であり、日頃の政治家の政治活動や政策問題に関しての情報がもっと公開されないと意味が無い。自民でも民主でもどちらでもいいが、どういう政策を言っていてその政策の中身が正しいのかどうか、という判断基準となるような情報をもっとネット上にださないと僕はまずいと考えている。そうした政策などに関するネット上に出回っている情報というのは、その多くがいかがわしいか、いい加減なことを言っているのかのどれかになっている。だからこそ、常日頃の政策問題

に関しての情報の公開を進めていくように改善していかないと個人的にも厳しいと考えている。

■ネットを使い、能動的に政治に働きかけることが重要

まだまだ、ネット上に政治のコンテンツは少ない。「Yahoo!みんなの政治」なんかはそれに近いことをやってはいるけど、まだまだ不十分。若い人達が集まって、それぞれみんな住んでいるところは違うかもしれないけど、自分の選挙区についてどういう候補者がいてどういう情報をだしているのか、というのをもっと機械的に集める方法があれば役にたつのかもしれない。

そうした意味で、もっともっと若い人達が使いやすい機能をどんどん作って、リンクをはっていっていくことも必要だ。まだまだ受け身になってはいけない。もっと能動的に働きかけないといけない。マスメディアなら受け身なメデイアでいいかもしれないが、ネットはもっと能動的に動けるはず。政治家が勝手に情報を更新してくれると思ったら大間違い。それも結局は受け身のままな状態の意識。政党や政治家や政策について、また自分の選挙区の人がどういうことを言っているのか、あるいはそうした選挙区の情報をもっとわかりやすく集める方法はなにか、考えるべきだ。そういったことも含めて、ネットでやれることはたくさんあるわけで、最初からすべてをやることは難しいかもしれないが、最低限、選挙期間中は立候補者が情報を更新できて、そこから考えるヒントを得ることができるようにしないと意味がない。

■「政治とネット」ではなく、「政治と若者の関係」を深めることが大事

よくネットと政治の関係について言われているが、物事の順番を逆にしてはいけない。どうしてもネットが好きな人たちがそういう言い方をしがちだが、ネットというのは結局は手段でしかない。ネットが目的であってはならない。では、ネットと政治の関わり方とはなにか、ということを考えると、考慮すべきは政治と若い人たちとの関係性だ。政治と若い人達との関わりをどう深めていくか、もっと若い人達が政治に感心をもつようにするのはどうすればいいか、ということだ。それが高まれば、自動的にネットも選挙で使われる必然もでてくる。もちろん、鶏と卵な話かもしれないが、政治に若い人が多く関われば関わるほど、いまの若い人達の中心はネットなわけであり、選挙にネットを使わざるをえなくなる。

だから、ネットと政治という言い方というのは言葉としてはもっともらしいけど実はあまり意味がない。なんども言うが、結局はネットは手段でしかない。若い人達が政治に興味関心をもてば、もっと主体的に政治に参加するようになる。そして、若い人達がもっと情報を欲するようになる。それがないと、ネットでの選挙利用というのも、ただのホームページの更新だけじゃなく、TwitterやFacebookとかの利用も含めたネット選挙運動にまで発展しないのではないだろうか。

だからこそ、勘違いしてほしくないのはネットは手段であり、目的ではない、ただこれだけなんだ。目的は、若い人がもっと選挙に投票に行ったり政治に関わることなんだ。投票率は若い世代が一番低いのが現状で、60代や70代の投票率は圧倒的に高い。これでは高齢者の既得権益を守る政治になるのは仕方ない。だからこそ、若い人が政治に関与すればするほど、若い人の数が増えれば増えるほど、自動的にネットは使われるようになってくるし、そうせざるをえなくなる。つまり、政治とネットという考え方も大事だが、あくまで目的は若い人がいかに政治に関心をもって政治に関わるようにすればいいかだと考えてほしい。

その関係性の順番を間違ってはいけない。いまやネットはマスメディアと同じ。でも、政治とマスメディアとは言わない。ネットがマスメディアと違うのは、若い人たちが使うメディアであるということ。それをじゃあどういうふうに何のために活用すればいいかというと、若い世代がもっと政治に関与すべきなんだ。つまりは、政治と若い世代だという意識を強くもってもらいたい。

余談だけど、若い人達でもっと候補者をだすのもとても有効だと思う。それが一番効果があるんじゃないだろうか。20代や30代で、もう少し問題意識のある人達が実際にどこかの党や無所属でもいいが、 実際に立候補してそれを若い人みんなが応援して、その人を登院させるという実際の成功体験を積めば、さらに中に入った人もやる気をだすし活動の広がりが出る。政治家になれそうな人を立候補させて、みんなで動員かけるくらいのことができれば、僕は面白い勝負ができるんじゃないかと思ってる。それぐらいのことをやればものすごくインパクトがあるしいろんな活動がでてくるんじゃないだろうか。本当にやる気があれば僕は応援するよ。

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VOICE / ARCHIVE

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No.19

Suzukiさんのサムネイル画像

2012.05.28
古賀茂明氏
大阪府・市特別顧問/元内閣官房内閣審議官

>> ネット選挙は100%大賛成。日本の大きな変革を始めなければ大事な間に合わなくなる。大事な決定をするときに、多くの人が参加して決めてもらいたい...

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No.18

嘉田さんのサムネイル画像

2012.05.28
嘉田由紀子氏
滋賀県知事/未来政治塾塾長

>> 実は、政治というのは未来をつくる。今若い人が仕事が無い、年金がどうなるんだろう。子供も育てにくい。こういう仕組みは過去10年前...

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No.17

Suzukiさんのサムネイル画像

2012.05.27
Emmy Suzuki Harris氏
change.org 日本キャンペーン担当

>> change.orgとは署名活動をサポートするプラットフォームで、毎月15万ほどのキャンペーンがスタートしています。全世界で1600万人ほどの...

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No.15

岩瀬さんのサムネイル画像

2012.05.19
岩瀬大輔
ライフネット生命保険副社長

>> 若いひとが、より政治に関われば、この社会は変わると思う。そのために、インターネット選挙をより使いやすくすることは非常に大切 ...

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No.10

荻上さんのサムネイル画像

2012.05.19
荻上チキ
評論家/「αシノドス」「シノドスジャーナル」編集長

>> まず前提として、選挙や政治に参加「しない」ということは、それは要するに「損をしてもしょうがなくなる」ということです。なにかしらの政治参加を一切...

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No.13

勝谷さんのサムネイル画像

2012.05.19
勝谷誠彦
コラムニスト

>> ネット選挙運動はもちろん解禁されるべきでしょう。日本の選挙は色々縛りが多すぎます。こんな国は世界中にありません。...

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No.12

飯田さんのサムネイル画像

2012.05.19
飯田哲也
環境エネルギー政策研究所所長

>> ネット選挙をもっと活性化するように解禁したほうが良い。去年の3月11日の地震、津波、原発事故以降、日本が大きく変わったのは、日本版ジャスミン革命...

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No.11

岸さんのサムネイル画像

2012.05.18
岸博幸
慶応義塾大学大学院教授

>> 利点として、ネットが現在のように普及し一般レベルにまで使われている状態において、本来投票行為というものは、できるだけ多くの情報を知り、...

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No.10

上野さんのサムネイル画像

2012.05.17
上野千鶴子
社会学者/WAN理事長

>> 私のような還暦すぎた人間でも、今やiPadは手放せない。インターネットがこれだけ普及した時代に、これを政治の世界に持ち込まないということは本当に遅れているというか、既得権益を守りたい...

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No.09

関根さんのサムネイル画像

2012.05.16
関根健次
ユナイテッドピープル株式会社
代表取締役

>> 禁止されている選挙運動期間中(2週間)に、政治に興味を持った場合、誰かから話を聞かない限り考え方が変わらない。インターネットで情報が見られることは判断をする上で材料が広がるから必要だ...

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No.01

宮台さんのサムネイル画像

2012.05.14
宮台真司
社会学者

>> ウェブサイトについて言えば、これは文書の“頒布”ではない。なぜかというと、渡すのではなくて、わざわざ知りたい人が情報を取りにくるわけですよね。簡単にいえば「PUSH」ではなくて「PULL」型である...

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No.01

津田さんのサムネイル画像

2012.05.12
津田大介
ジャーナリスト/メデイアアクティビスト

>> インターネット選挙解禁をするかしないか、民主党が政権をとった2009年以降ずっと大きな問題であったが、このようなことを禁止している先進国はないので、政治の情報がインターネット...

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No.01

家入さんのサムネイル画像

2012.05.10
家入一真
paperboy&co.創業者 / partycompany Inc.代表

>> 政治って、行っても無駄だと感じる前に、オヤジたちのものだというのが先にたってしまう。別にかっこよく、などとは言わないけど、いまってあまりに時代とかけ離れているんじゃないかと思う。...

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No.01

駒崎弘樹さんのサムネイル画像

2012.04.25
駒崎弘樹
NPO法人フローレンス代表理事

>> これまでの時代は、税収が右肩上がりで行政にある程度任せることができたが、いまの経済状況において、行政がすべてをおこなうことはほぼ不可能になってきました。多様なあり方すべてに...

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No.01

萱野稔人さんのサムネイル画像

2012.04.27
萱野稔人
津田塾大学准教授

>> インターネットの登場によって、政治だけでなく民間でも多くの情報開示が進みました。例えば、ネットもなくテレビもそれほど発達していなかった時代に、アメリカの大統領の演説を聞け...

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No.01

熊谷俊人さんのサムネイル画像

2012.04.26
熊谷俊人
千葉市長

>> 政治家はわたしたち国民から選ばれます。しかし、いまはその政治家を選ぶプロセスに問題があります。その根っこである選挙制度をかえなければダメです。“政治”がおかしいのは“政治家”が...

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No.01

田原総一朗さんのサムネイル画像

2012.04.28
田原総一朗
ジャーナリスト

>> ネット選挙運動の解禁については大賛成。いま、若い人の80%以上は携帯をもっている。そうしたネット普及の状況の中、議員に おいても、選挙において使えないとまったくもって意味が...

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COMING SOON...

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